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2011年09月13日
BISES(ビズ)秋号No.74 ぜひ、ごらんください

いつもにまして暑かった夏も何とか乗り越え、ビズの秋号が店頭に並びました。比較的流行の波にさらされないガーデニング界といえども、時代空気に添うように人の心には新たな価値観が芽生えてくるようです。今号では、いくつもの新鮮な視点による“BISESらしい”企画が立ちました。どのテーマにも共通しているのは、しなやかな感性と根強い一貫性が共感を呼ぶ点だと思います。
一つ目は「私たちの国のやさしい植物と暮らし」。ビズの人気連載「小さな庭で季節の花あそび」を受け持つ前田満見さんと、彩花盆栽を主宰する山田香織さんによる対談が実現しました。前田さんの自宅で行われた対談は、現代の暮らしの中で、和の植物をどのように生かすか、その際だつ魅力は何かといった話題が展開されました。仕上がった原稿に目を通していて思わずクスリと笑ってしまったのが「私たちの庭はビズに載っている華やかな庭とは違うけれど…」のくだり。いえいえ、ビズはお二人の自然観も穏やかな調和のバランス感覚も大好きですよ! 和の植物、洋の植物、それは分け隔て無く空間を共有できるもの。植物に精通し、深く愛し続けているお二人の会話は、とても楽しいものです。ぜひ、ご一読ください。
さて、もう一つ、異色の特集をまとめました。それは現在、東京都現代美術館で開催されている「フレデリック・バック展」を核に広く何人もの人々に取材し、インタビューを試みた立体特集です。タイトルは「木を植えた男に学ぶ、幸福でいられる最高の方法」。ご存じの方も多いと思いますが、「木を植えた男」は、フランスの作家ジャン・ジオノの原作を元に、フレデリック・バックがアニメーション映画をつくり、翌年自身の手で同タイトルの絵本を出版して世界中に旋風を巻き起こしたあのお話しです。もう20年もの月日が経っているのですが、今、大きな困難に直面しているこの日本にとって、フレデリック・バックの存在がこれほど力強いメッセージを有しているとは、驚きでした。まさに今こそ「木を植えた男」ではないでしょうか。87歳の彼は7月1日のオープニングに合わせて来日しました。フレデリック・バックは“アクティビスト”という言葉で呼ばれています。行動する人、という意味です。環境派であることを生涯貫き、実際に何万本もの木を植え続けてきた人なのです。「私の展覧会では、木の種を販売しましょう」と関係者に手紙を送ったりもしました。この地球に生きとし生けるもの全てを愛する大きな人物は、きっとBISESの読者の皆様にも共感と共に受け入れられることと信じます。
秋号もお楽しみいただければ幸いです。



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執筆者プロフィール

ガーデニング誌『BISES』の元編集長。創刊から休刊までの146冊、25年間務めました。1997年流行語大賞トップ10に選ばれた「ガーデニング」は、私が全国に広めた言葉です。これはGARDENINGをカタカナにしたもので、造語ではありません。今では日本語として立派に定着しましたね。