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ライフスタイルガーデン部門
受賞作品のご紹介

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2018年11月30日
第16回日比谷公園ガーデニングショー(2018年10月20〜28日)
ライフスタイルガーデン部門
受賞作品のご紹介

3m×2mのスペースで競うライフスタイルガーデン部門。今年は20作品の応募の中から、5作品が受賞しました。毎年、ライフスタイルガーデン部門には、多種多様な発想で創られた表現力豊かな庭が発表されます。その中から選ばれた秀作をじっくりお楽しみください。
 
 

東京都知事賞
「No Future…??」
(出品者)ヒロム緑化
(作品解説)
正面に選び抜いた自然の造形美を見せる流木を配し、そこに水を落とし滝とする。両サイドには鬱蒼と茂る緑の壁面を立て、全体を深い森に見せる工夫ある趣向。近頃ややパターン化してきた壁面緑化とは一線を画し、この作品では植物の組み合わせに大変なエネルギーを注いで野性味に凄みを加えることに成功している。植物はミルクブッシュ、ピカクシダ(コウモリラン)、バンダ、ベリーホリングスワースなどを使用。なお、滝の水循環は裏側に太陽光パネルを設置し、ポータブル電源を動力としている。
 
東京都都市緑化基金賞
「Gardener’s bee 〜甘い香りに誘われて〜」
(出品者)アゴラ造園株式会社
(作品解説)
姿を消しつつあるミツバチを呼び戻そうと、都会の片隅に蜜源植物を植え、人も集えるカフェスタイルのコーナーを作った。蜂の巣をイメージした六角形パターンを繰り返し、明るい作品にまとめている。環境問題、人々の健康、街づくりなど、ガーデン世界にも社会性が求められてきているが、そんなウェーブも受け止めたコンセプトに共感。植物は蜜源となるエゴノキ、ソヨゴ、キンカン、ウインターコスモス。葉や幹の黄色が特徴的なモミジ美峰(ビホウ)など。
 
優秀賞(デザイン賞)
「読書を楽しむ庭」
(出品者)日本ガーデンデザイン専門学校 岡田夏実
(作品解説)
グランドカバーを含め全体に愛らしくもデリケートな植物センスでまとめた作品。リアルな庭の片隅にも見えるが、そこにはファンタジーのヴェールがかかり、存在感のある巨木の幹が空想力を刺激する面白いスケール感を与えている。全体的な完成度も高い秀作。
 
優秀賞(デザイン賞)
「ひねもすのたり」
(出品者)E&Gアカデミー21期生
(作品解説)
庭を湖に見立てて柳で編んだ舟を浮かべる。そっと身を横たえると、風が渡り、木漏れ日が降り注ぐ。花々も頬の間近に咲いて、不思議なサイズ感。夢の中へと誘ってくれる。
無理のないロマンチックなコンセプトに沿って、ロープの日よけ、オールのフェンス、テーブルがわりの船着場が作品の構成要素になる。今を生きる私たちの日常には、こうしたストレスフリーのファンタジーが救いになるかもしれない。
 
優秀賞(アイデア賞)
「Lier.からの多肉植物の輪」
(出品者)Lier.Succulent株式会社
(作品解説)
多肉植物屋さんと雑貨屋さんがダブルイメージで迫ってくる印象の強い作品。来場者がカメラのシャッターを切った数はこの作品が一番かもしれない。作者のぎっしりと詰まった多肉愛には見る者も思わず頬が緩みそうになるが、ガーデンとしてみるとやや狂おしい。多肉植物人気を象徴する話題作である。



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執筆者プロフィール

ガーデニング誌『BISES』の元編集長。創刊から休刊までの146冊、25年間務めました。1997年流行語大賞トップ10に選ばれた「ガーデニング」は、私が全国に広めた言葉です。これはGARDENINGをカタカナにしたもので、造語ではありません。今では日本語として立派に定着しましたね。